肩関節は人体の中で最も大きな関節可動域を持ちますが、
最も脱臼しやすい関節でもあります。
脱臼しやすい不安定な関節ですが、普段は肩関節の靭帯や関節包などが脱臼しないように支えています。
また、肩関節脱臼を繰り返すものを
「反復性肩関節脱臼」と呼びます。
手を突いて転倒、肩を強打するなどで発生することが多いです。
肩・腕を動かすと痛む、肩の変形、腫張(はれ)など。
いろいろな方向に脱臼しますが、
「前方脱臼」がほとんどです。
上腕骨近位端骨折・腱板損傷・前腕骨遠位端骨折などを伴うことがあり注意が必要です。
臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。
骨折の有無などはX線検査が行われ、反復性肩関節脱臼(靭帯や関節包などの状態など)や腱板損傷などが疑われる場合はMRIや関節鏡検査が行われます。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
当院では、脱臼や骨折の状態・腱板損傷などを
超音波エコーでチェックしながら治療を進めています。
出来るだけ早く脱臼を整復(脱臼した骨を戻す)することが大切です。
当院では、
まず脱臼を整復し、肩関節の固定・再脱臼の予防・痛みの軽減などを目的に、
三角巾・装具固定、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状・年齢・活動性などに応じて
ストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。
また、反復性肩関節脱臼では年齢・性別・活動性などを考慮して、手術治療を検討することがあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしております。