上腕骨の「肩に近い部分」を上腕骨近位端と呼び、骨折を起こしやすい場所です。
子どもから大人まで幅広い年代に起こりますが、
骨粗鬆症が基盤にある
中高年の女性に多く発生します。
手や肘を突いて転倒して発生する場合と、肩を下にして肩から転倒して発生する場合が多いです。
肩や腕の痛み、肩を動かすことが出来ない、腫張(はれ)、血腫(内出血)などがあります。
また、
肩関節脱臼を伴うこともあります。
X線検査で骨折がないか確認されますが、中には転位(骨のずれ)が少ないものもあり、注意が必要です。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる
超音波エコーで経過観察等を行っています。
保存治療(手術治療以外)と手術治療があり、多くは保存治療が行われます。
手術治療は、転位(骨のずれ)を整復(骨のずれを直す)出来ない場合や、整復した状態がある程度の範囲で維持できない場合に行われます。
反対に、保存治療は転位がない場合や、整復した状態がある程度の範囲で維持できる場合に行われます。
当院では、整復が必要な骨折は
整復(骨のずれを直す)を行い、
骨折の骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、
ギプス・装具・三角巾固定、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状や骨癒合の状況に応じて
ストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。